キヘリキンチャクダイ

キンチャクダイ科

基本的に当観察報告は同属の種を連日して紹介する事はありませんが、本属に
関しては続けて紹介した方が面白いかと思い昨日、本日そして明日と3日連続して
キンチャクダイ属の3種を報告させて頂きます。



撮影 20016年11月:高知県大月町柏島 水深-25m 大きさ約150mm


撮影 2009年4月:高知県大月町柏島 水深-22m 大きさ約130mm


撮影 20016年4月:高知県大月町柏島 水深-25m 大きさ約150mm

キヘリキンチャクダイ 学名 Chaetodontoplus melanosoma
 スズキ目 / キンチャクダイ科 / キンチャクダイ属
撮影 20016年4月:高知県大月町柏島 水深-25m 大きさ約150mm
英名 Phantom Angelfish
生息域 伊豆大島(幼魚)、伊豆半島東岸・西岸、和歌山県紀南、串本、
    高知県柏島、トカラ列島、台湾、南シナ海、フィリピン、
    インドネシア(スラウェシ島以東を除く)

潮通しの良い岩礁域や珊瑚礁域に生息しております。
成魚の色彩は頭頂部から鰓蓋を通り喉元にかけて黄色の地色にて水色の不規則な
形状の細い帯が入ります、その後方は黒色、各鰭は黒色にて胸鰭は第1棘が黄色く
染まり、胸鰭と臀鰭の後端が黄色く染まり尾鰭は黄色です。



幼魚:撮影 2010年10月:高知県大月町柏島 水深-8m 大きさ約25mm

幼魚の頃の体地色は黒色にて頭頂部から腹鰭基部の後方にかけて黄色の横帯が1本
入り、背鰭から尾鰭と臀鰭は黄色にて尾鰭に黒色の縦帯が入る事で、よく似ている
アカネキンチャクダイの幼魚との識別が可能です。
また尾鰭の黒色の縦帯は成長すると共に消えてしまいます。

今回、本種の生息域は『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』に記載されている
内容を参考に書かせていただいております。
同書では尾鰭全体が黄色のタイプの成魚は伊豆半島~トカラ列島まででしか観察
されて無いと書かれており、確かにWeb上調べてみると海外で撮影されたのは全て
尾鰭が黒色で黄色で縁取られるタイプです。

遺伝的にみて同種とされておりますが、海外の図鑑では尾鰭全体が黄色のタイプを
C.dimidiatusと、本日の写真の色彩で尾鰭が黒色で黄色で縁取られるタイプを
C.vanderloosiとして掲載されており、生息地域による個体差なのか今後の研究者の
方のご尽力にご期待いたします。

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