本日はじみ~なトラギスの報告です。
珊瑚礁域に生息するトラギス類はカラフルな色彩なんですが、砂底域に生息する
トラギス類は地味な色彩なんです。
撮影 2012年2月:紀伊大島須江 内浦ビーチ 水深-20m 大きさ約70mm
撮影 2012年1月:紀伊大島須江 内浦ビーチ 水深-22m 大きさ約70mm
撮影 2017年11月:紀伊大島須江 内浦ビーチ 水深-20m 大きさ約70mm
撮影 2017年10月:紀伊大島須江 内浦ビーチ 水深-24m 大きさ約70mm
クラカケトラギス 学名 Parapercis sexfasciata
スズキ目 / トラギス科 / トラギス属
生息域 新潟県以南の日本海岸、千葉県以南の珊瑚礁域を除く太平洋岸
~ 朝鮮半島南部、台湾、ジャワ島南部など。
沿岸の浅い水深域から大陸棚周辺の砂底や砂泥底に生息しており、珊瑚礁域では
観察されません。
体型は円筒形で尾柄部はやや側偏しており吻はやや尖り下顎が僅かに尖ります。
体地色は灰色~灰褐色にて腹部は黄色みを帯び、体側面にV字型の暗色斑が列を
成し眼の下部と胸鰭基部、尾柄部にそれぞれ暗色斑が入ります。
本種は色彩に2型ある事が知られていて、近年、分子系統解析の結果よりそれぞれの
型は単系統性を示し、遺伝的に種レベルの分化が確認され事で新たに 2つの種に
分けられ、新たに アマノガワクラカケトラギス P.lutevittataの和名の種が
提唱されました。
相違点は、背鰭鰭膜の基底部に暗色斑があり、胸鰭の基底部にも暗色斑があれば
クラカケで、それらが無くて体側面に黄色横帯があり胸鰭基底に沿って小黒色点が
並び、背鰭始部から胸鰭基部まで伸びる1黒色横帯と体側のV字型黒色斑との間に
小黒色点が散在していればアマノガワと書かれてますが、後述の特徴があまり
判りません。
自分的には、とりあえず背鰭鰭膜の基底部に暗色斑があり、胸鰭の基底部にも
暗色斑があればクラカケで、それらが無くて体側面に黄色横帯があればアマノガワと
決めつけておりますが、残念ながらアマノガワには出会えておりませんので
何とも言い切れません。
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